MySTの使い方

MyST(Markedly Structured Text)(ミスト)はMarkdownの拡張のひとつで、科学技術文書の作成の効率化を目的にしています。 調べてみると、よさそうな感じだったので、ここにまとめていこうと思います。 Markdown記法は技術文書のデファクトです(と思っています)。 シンプルな仕様のため、READMEを書いたり、簡単な会議メモを作ったりするのにとても適しています。 しかし、シンプルがゆえに図表や数式の書式設定など、融通が効かない場面もあります。

MySTは、そんなMarkdownにreSTの表現力(=directiveroleを使った構造化)を追加し、図表や数式などの書式設定にも対応できるようになっています。

MyST ToolsはSphinxにインスパイアされて開発されていたMySTのエコシステムです。 .md形式や.ipynb形式のファイルから、ウェブサイトと文書(LaTeXやPDF、Word形式)を生成できます。 ウェブサイトはReactがベースとなっています。 PDF(やLaTeX)のテンプレートはさまざまなジャーナルに対応していて、デフォルトで400種類以上用意されています。 もちろん自作することもできます。 これらのことは公式ドキュメントに詳しく書かれています。

ビルドしたい(myst build

$ myst build --help

--helpオプションでビルド形式を確認できます。 PDF(--pdf)やTeX(--tex)、Typst(--typst)、Word(--word, --docx)、HTML(--html)など、多くの形式に対応しています。

ビルドされたファイルは_build以下に作成されます。 _build.gitignoreに追記しておくとよいです。