フォントをもっと変更したい

ここでは、LaTeX美文書作成入門(第8版)の第12章(欧文フォント)と第13章(和文フォント)を読んで、自分なりに理解した要素を整理しています。 膨大なフォントサンプル集(欧文基本14書体、欧文基本35書体、TeX Gyreフォント集などなど)も紹介されているので、この2つの章は何度も参照するとよさそうです。

LaTeXのフォント設定はとても難しいなと改めて感じました。 このページを読むのではなく、奥村本をきちんと読むべきだと思います。

(u)pLaTeXの場合、フォント一式を変更するのはめんどくさいです。 TeX Live 2020以降は和文デフォルトが原ノ味フォントになっているため、わざわざ変更する必要はありません。

フォントの5要素

LaTeXのフォントには次の5つの要素があります。

  1. エンコーディング

  2. ファミリー(=書体)

  3. シリーズ(=ウェイト)

  4. シェープ

  5. サイズ

注釈

ここで書いたエンコーディングとはTeX内部の文字マッピングのことです。 UTF-8やシフトJISのようなファイルのエンコーディングとはまったく別物だそうです。

欧文/和文フォントともに、上の要素を指定することで表示できます。 下記の\usefont\usekanjiコマンドを使って、部分的に自由に変更できます。

% 欧文フォント
{\usefont{エンコーディング}{ファミリー}{シリーズ}{シェープ} 文字列}
{\usefont{T1}{ptm}{b}{it} T1 / Times / bold / italic}

% 和文フォント
{\usekanji{和文エンコーディング}{ファミリー}{シリーズ}{シェープ} 文字列}
{\usekanji{JY1}{mc}{m}{n} JY1 / 明朝体 / 標準 / upright} % pLaTeX
{\usekanji{JY2}{gt}{b}{n} JY2 / ゴシック体 / 太字 / upright} % upLaTeX
{\usekanji{JY3}{gt}{bx}{n} JY3 / ゴシック体 / 極太字 / upright} % LuaLaTeX

ただし、毎度毎度、それぞれの要素を指定するのは大変です。 そのような場合は、文書で使うデフォルトのフォントを変更してしまいましょう。 使っているLaTeXの種類(レガシーLaTeXかモダンLaTeXか)に応じて、フォント関連のパッケージをうまく使い分けるのがよさそうです。